虹1ポンドの物語 

ちょっと笑って、考えさせられて、楽しくなるような物語書いてます。世界観を大事にしてます。

【第11話】金の斧、銀の斧

※小さなお子さんと一緒にご覧下さい。 とある村に1人の男がいました。彼はどこにでもいる普通の男で、1人で森の中に住んでいました。 彼は言います。 「隠居生活も悪くはないな」 そう言って独り身でずーっと独身貴族を貫いていました。 彼はいつものように…

【第10話】久しぶりの再会

今日は元旦。 久しぶりに実家に帰ってきた。戻ってくるのは何年ぶりだろう。大学の時に家を出てから帰ってないな。もう7年くらい経つのかな。時々お母さんとは電話はしてだけど。長くなるから、途中で面倒くさくなって切るようにしてたんだよなあ。 「久しぶ…

【第9話】早朝の出来事

今朝、満員電車を出てからエスカレーターを上がったときの出来事だった。 直ぐ隣で60代の男性が30代くらいの男性と接触しバランスを崩していた。 普通ならお互いに会釈してそのまま歩くのだろうがそうはならなかった。 30代の男の方も無表情で彼を見返して何…

【第8話】早く起きなさい

ほら、タケシ!もう朝よ! …うーん(ムニャムニャ) ほら!もう起きる時間よ! 分かってるよぉー。もう、うるさいな。 だって、ほら、今日から学校でしょ? もう起きなさい! 分かったから、あと5分したら起きるから。 本当に?もう朝いつもダラダラして。 …

【第7話】いやはや、いやはや

なんだろ…これ。 私はあまり興味は無かったが、なんとなく気になったので文章を読み進めることにした。 そうなんですよね。 やっぱり、男と女って脳科学的にも違ってて恋愛とかも全然捉え型が違うんですよ。 例えば、男の場合だと加点方式なんですよ。 ほら…

【第6話】ボタン

ここは薄暗く、鉛色のコンクリートの壁に囲まれている。風通しは良くなく、湿気が肌に纏わり付くほどジメジメしている。 知らない部屋に私はいる。 私以外に何人いるだろう30人、いや50人以上集められている。 薄暗くて良く見えていなかったが、この部屋は縦…

【第5話】パパとママ

朝目が覚めると両隣にはパパとママがいる。 朝ごはん、台所に立つ後ろ姿のママ。 目の前のパパは私に笑って話かけてくれる。 小学校はパパと横に並んで一緒に手を繋いで歩く。 帰りはママが迎えに来てくれて、いつも笑顔なママ。手を振ってくれる。 スーパー…

【第4話】日記

※ホラー小説になっています。心臓の弱い方や苦手な方はお控えください。大丈夫という方だけそのまま日記を読み進めてください。 6月3日 21:50 これから日記を書くことにする。まだ慣れてないが、なるべく三日坊主になるのは避けたい。友人からの勧めで始める…

【第3話】コーヒーと女と、男。

ここはとあるカフェ。 お店は二階建ての造りになっており、一階部分が半地下になっている。 昼夜問わず人で溢れ返っている。 おススメは日替わりコーヒーで、それを目当てにレジ前に並ぶほどだ。 今日はいつも以上に人が多い。 真夏せいだろうか。 「あつい…

【第2話】とある会話

『本当にするの?』 『うん』 『誰か来ないかな?』 『来ないよ、大丈夫だよ、早くしちゃおう』 『うん。私こういうの初めてだから、ゆっくりしてね』 『分かったよ。』 『ありがとう』 『ねぇ。』 『ん?』 『電気…ちょっと明るいよ…』 『俺は気にしないよ…

【第1話】私のこと、どう思ってる?

…私のことを、どう思ってる? 今日はクリスマス。 彼は私のために高級レストランを探して予約をしてくれていた。滅多にそんなところには行かない私でも分かる。 それくらい有名なレストランで、恐らく予約も取りづらかったはず。 そんな彼はきっと前もって計…